言葉を育むのは、語りかけから

小学校に入るまで

はじめに

娘の天果が誕生してしばらくの間は、赤ちゃんのお世話と寝ている間に家事をするだけの毎日でした。

 天果の首が座ったころ「将来できないことや苦手なことがあっても、言葉が育つと自分の思いが整理できる。そのことはきっとこの子の力になる。」という確信が芽生えてきました。

当時は天果を天才にしようとか、医学部に入れようなんて思いもしませんでした。ただただ本人が気持ちを言い表せたり、伝えたりできるようになればいいと思ったのです。そして私は「とにかく天果の言葉を育もう!」と決心しました。

天果の言葉を育むために最初に取り組んだのは「語りかけ」でした。

 

語りかけの効果的な方法について

 「目が覚めたね」とか「お風呂気持ちいいね」など、それまでも語りかけは、自然にしていました。それにプラスして、意識的な「語りかけ」を、天果がしっかり起きているときに視線を合わせながら話しかけるようにしました。朝なら私や天果のその日の予定のことを話したり、お天気のことを話したり、食後なら、私が食べたものの報告や感想を話しました。

細かいことですが、迷ったのは次の3つです。

1.マザリーズは使う?使わない?

2.「犬」より「ワンワン」、幼児語がいいの?

3.英語みたいに掛け流しを使う?

私の選択は以下の通りです。

1.マザリーズはやったほうがいい

 マザリーズは、養育者が乳幼児に向けて無意識的に遣う言葉で、大事なところはゆっくり、発音は明瞭に、音の高低は大きく、全体的には優しい響きになる言葉です。いろいろな国や民族で自然発生的に行われているようで、マザリーズは親子の感情の相互調律の方法ではないかと思います。子どもをしっかり見て、子どもに共感的な声掛けをする、それに子どもが注意を向けて応える、という体験活動をしているように見えるからです。

 そんなマザリーズですから、意識的に使ったほうがいいと思いました。子どもの反応が良くなるなら何でもやるのがいいですよね。

 私はマザリーズを使って、天果の喃語に返事をしました。喃語に返事、というのは変に聞こえるかもしれませんが、多くの人が意識せずにしているように思います。まだ会話として成立しなくても、「時間を共有して何かを分かり合う感じ(←完全な自己満足です。)」を天果との間で体験するのは面白かったです。

2. 赤ちゃん言葉は要らない

 犬を「ワンワン」と教えたほうが、子どもの反応がいい、という主張をテレビ番組で見たことがあります。確かにその番組ではそう見えました。でも本当でしょうか?私は犬を「ワンワン」と教えるのは、かわいらしいけど無駄なんじゃないかと思います。

 ゾウを「ゾウさん」、ライオンを「ライオン」と教えるのに、どうして犬や猫を「ワンワン」「ニャンニャン」と教えて、後で犬猫と教えなおす必要があるでしょうか?言語学習の負荷を減らした方がいいと思います。

同じ理由で方言も極力使わず、丁寧な簡潔で完全な文章で語りかけるようにしました(←努力目標です。子育てに参加してもらっていた天果の祖父母にも、努力してもらいました)。方言(言語表現のバリエーション)を減らすことにより、情報を単純化して子どもの言語習得の負荷を減らせたと思います。

3. かけ流しよりも親の実況中継がいい

乳児がどのように言葉を学んでいくのかは、はっきり分りません。でも自分に向かって発せられて自分の体験にピッタリ合ったときに子どもの中に言葉が蓄積されるような気がします。

そう考えると乳児があまり理解していないテレビやラジオを掛け流しても「言葉を育む」道具としては、あまり期待できそうにないですね。それよりもベビーベッドで目を覚ましているけれど親が相手できないときや、おんぶして家事をしているとき、できるだけ親のしていることを実況中継した方がいいと思いました。

洗濯をしながら、料理をしながら、とにかく語りかけました(とはいえ、おんぶするとすぐねてしまいました)。

「これはジャガイモです。ジャガイモを洗って、ジャガイモの皮をむきます。お料理して後で食べます。ジャガイモはおいしいです。お母さんはジャガイモを食べるのが大好きです。さあ、皮むき器を使ってジャガイモの皮をむきますよ。あら、つるっと滑りました。」という感じです。

語りかけの効果かな?と思うこと

 たぶん語りかけの効果だと思うのですが、天果は話し始めたと思ったら二語文、三語文、あっという間に長文で話していました。大まかに「二歳二語文、三歳三語文」と言いますが、1歳半で二語文、2歳になったときには長文、複文でした。他にもいろいろやっていたので、単独の効果は分りませんが、ものすごく効果があったと思います(←もちろん個人的感想です。)。

語りかけは絶対おすすめ

 語りかけの良かった点は、いつでもどこでもできることです。外出先でもできるし、道具もいりません。コストはゼロで、親がもともとやっていることを、ちょっと意識して、ちょっと多めにやるだけです。コスパ最高です。マザリーズを意識して行うことで、親子関係の基礎もできます。特に忙しいママたちには片手間でもできる語りかけ、オススメです!

「止めどき」には注意

 効果抜群の語りかけですが、天果が話し始めた頃から、語りかけを徐々に減らしました。

 理由は、天果が話し始めたら応答することのほうが大事だったから。

 それに、言葉を話すようになったら思考する力もついてきているはずなので、天果が自分で興味のあるものを見たり聞いたり考えたりする能動的な時間を奪いたくなかったからです。

おわりに

 他にも言葉を育むためにしたことはたくさんあります。童謡、読み聞かせ、カード、字を教えたことなど、記事を書いていきたいと思います。

無理なく無駄なくハッピーに子どもの才能を伸ばす「ママの魔法の杖」、どうぞ使ってださいね。

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