はじめに
「娘の天果の言葉を育もう!」と決心し、まず取り組んだのは「語りかけ」です。(詳しくは「言葉を育むのは、語りかけから」の記事へ)
その当時から自分の好きな子守唄を歌ったりしていたのですが、これも言葉を育てるのに使えそうだと思い、「童謡」を取り入れることにしました。
童謡をたくさん聴かせよう、と思いましたが、またまた細かいことが気になりました。
- 何曲くらい聞かせたらいいの?
- 親の歌声よりCDのほうがいいの?
- 外国語も混ぜてみようか?
私の選択は以下の通りです。
1.たくさん聞かせてもいい
首は据わったけど、まだ寝がえりもできない赤ちゃんの頃に始めました。2歳になったら保育園に入れる予定だったので、「2歳までに200曲」と目標を立てていました。
ずいぶん後になって知ったのですが、公文の標語は「歌二百 読み聞かせ一万 賢い子」だそうです。
育児中の私は日本や海外の幼児教育について調べまくっていましたので、200曲を目標にしたのは、公文の影響なのかもしれません。
当時200曲集めるのは大変でした。今は公文から200曲の本が出ているようです。当時あれば絶対買っていました。
2.親の歌声もCDも両方いい
私が最初に使ったのは、「くもんの童謡カード」でした。公文の教室に通わせるということを思いつかなかったので、アマゾンで注文しました。
大抵はCDをかけ、歌に合わせてカードを見せていました。自分が退屈なときは自分も寝転がってカードを見せつつ、裏に書いてある歌詞を見て、自分で歌って聞かせました。
くもんの教材の公式の使い方については知りません。でも、CDは発音や音程が合っていて良いし、親が歌うと、子どもの顔を見たり、リズムに合わせて子どもをトントンしたり、いろんなバリエーションがあります。どちらもすごくいいと思います。
3.外国語を混ぜても、たぶんいい
日本語の童謡200曲以外にも、ごくごく最初から英語やスペイン語、フランス語の童謡など、幼児向けのものをいろいろ聞かせました。
これについては、「幼児のうちはいろいろな言語の周波数帯が聞こえるけれど、成長するに従って脳の可塑性で、母語以外の周波数帯が聞こえなくなる」と聞いたことがあります。「だから幼児のうちから多様な言語に触れ続けておくと、将来の言語習得に役立つ」ということでした。
私としては、脳の可塑性はある言語(多くの場合は母語)に最適化するために不要なものを処分することだとしたら、あまり他の言語の周波数帯を聞き取る能力が残っていると、全体の動きが最適化されないかも、という不安がありました。でも、ポリグロッツ(多言語話者)もいることだし、大丈夫かな?と思ったり。
結果的には、だいたい日本語90%、英語8%、その他言語2%位の割合で聞かせたと思います。特に英語のCDは車での移動時に親のリスニング能力をつける目的も兼ねて掛け流しました。
具体的なすすめ方
毎日毎日いつか言葉が豊かになると信じて続けました。天果の注意がきちんとカードに向いていることは確認していました。0才は歌を覚えても歌わないから効果がまったくわかりませんでしたが、ニコニコしていたり注意を向けたりしてくれるなら、やる価値があると思いました。
くもんの童謡カードは90曲しかなかったので、あとは他の絵本や「赤ちゃんのための童謡」というCDを買ったりして集め、2才までに無事200曲終了しました。
外国語も、童謡のCDやビデオ、DVDを購入して使用しました。パパの出張のお土産や、Amazonで購入したものもありました。
途中のエピソードですが、1歳半の天果のトイレトレーニング中に私がトイレの外にいると、中から「おてて、ちゅない~、のみち~」と歌声らしきものが聞こえてきて、胸にグッとくるものがありました。そして「意味は分からないまま、記憶してるんだ~」と感心しました。
また、外出先などでアレンジの異なる同じメロディの曲に遭遇すると、天果が「気持ち悪い」と泣いて嫌がりました。乳幼児は歌を聴いて、歌詞とメロディで覚えている訳では無いと気づき、とても面白い現象だと思いました。
童謡の効果かな?と思うこと
天果の言語能力は非常に高くなりました。国語もよくできますが、英語も中学2年で英検準1級合格、高校2年までに第2外国語の検定で2級に合格しました。でも幼児期に英語や外国語を聞かせたことの成果というより、母語(日本語)の力が早期に伸びたために英語の習得が容易になり、英語習得の体験が第二外国語の習得を容易にしたと思っています。
小学生時代の天果の日本語の語彙量はすさまじいもので、文法も正しく、語感も理解していました。最初は意味も分らず覚えていた童謡の「言葉」が、その後の体験で意味が分るようになったのだと思います。古い童謡の古い言葉で鍛えられたのか、天果は中学生になると趣味で昭和初期に書かれた小説まで読んでいました。
童謡はおすすめ
親が知っている童謡を歌ってあげようとしても、歌詞を忘れていたり、いい加減になっている部分が多々あります。「2才までに200曲」と目標を明確にして取り組むことで、親の記憶や教養の程度に縛られずたくさん聞かせることができました。現在の話し言葉では使用頻度の低い言語表現もたくさん入っている点も魅力的です。
CDをかけて放置しなかったのも良かったと思います。曲に合わせて、子どもの体を触ったり、マッサージして一緒に体験しました。言葉を育てるために(例:バナナを食べながら「とんでったバナナ」を歌うなど)歌に出てきた言葉と日常生活の物事を結びつけるように意識していたので、子どもの体験も増えたと思います。
目標設定には注意
「子どもが歌えるようになる」のを目標にしていたら、きっと挫折していたと思います。200曲やる、できるだけ毎日やる(←「毎日」は自分が歌えばいいので、いとも簡単にクリアできる)などのザックリの目標設定がいいと思います。また、子どもが飽きる前にやめるよう心がけていました。
うろ覚えの童謡がたくさんあって、歌ってあげたいけど自信がない、という方にはうってつけの教育法だと思います。また、車での移動の多いご家庭でも取り入れやすいと思います。無理なく無駄なくハッピーに子どもの才能を伸ばす「ママの魔法の杖」、どうぞ使ってださいね。