「将来できないことや苦手なことがあっても、言葉が育つと自分の思いが整理できる。そのことはきっとこの子の力になる。」
娘の言葉を育むために取り組んできたたくさんのことを中心に、娘(天果)の幼児教育を書き記しています。
今までの記事は、こちらからどうぞ。
読み聞かせ育児(後編:感情コントロールができるからゴキゲンに!)
今回は文字を教えたことについて書いていきます。結果的には文字を教えて本当に良かったと思うので、是非参考にして欲しいです。
はじめに
字を教えるタイミングと方法は熟考しました。まず、「通常より早く字を教えること」は、本格的に「早期教育」に片足を突っ込むような気がして、「天才にするつもりも無いのに、早期教育ってどうなんだろう?」と思いました。
でも、考えてみれば私は「天果に必要なこと」がしたいだけであって、そのやり方が、世間で「早期教育」と言われるものと同じだとしても、引け目に感じたり、恥ずかしがったりする必要はないと思い至りました。
そこで、文字を教える方向に舵をきったものの、次は早くに字を教えることは賛否両論があり、本当に教えていいのか、どうやって教えるのか大変迷いました。オカルトじみた方法もいろいろあるようで・・・。
具体的には、次の点で迷いました。
1.字を覚えると体験が減るという考えがあるが、教えてもいい?
2.ひらがなって、難しすぎない?
3.教材は何がいい?
いろいろ調べて考えて、私の選択は以下の通りです。
1.字を教えたら、日常の体験は減るのではなく深まる!
教育学者も含めて、子どもに早くに文字を教えることに反対意見は多いです。字を知ってしまうと、子どもの遊びの体験を減らしてしまうという主張を読んだことがあります。
でも、そんな呪いのような力がひらがなやカタカナにあるのでしょうか?
字を知る前と知った後で、体験を測定できるはずがないので、単にイメージや固定観念なのかもしれません。
「そんな早くから勉強させないで、今は思う存分遊ばせて」という大人の思いの背景には「勉強と遊びは別」「勉強はつまらなくて大変なこと」という意識があるかもしれません。でも乳児の頃の天果に、遊びと学習の区別はありませんでした。だから字を覚えること自体が、天果の遊びの体験になると思いました。そしてたとえば一歩家を出ればたくさんの表示があり、その意味を知ることができます。体験は減らない、むしろ深まると感じました。
2.ひらがなはグニャグニャしていて難しいから後回しにしてみた
私は天果が生後8ヶ月を過ぎた頃、アルファベットの大文字から教えました。
日本語を学ぶ外国人が、ひらがなや漢字で苦労しているのを見て、単純に「ひらがなも漢字もむずかしいんだな」と思っていました。
特にひらがなの「あ」「め」「な」「ふ」「や」は難しいし、書き順を知らないと書いても人に読める字にはなりません。
幼児に漢字から教えるという教育(石井式漢字教育だったかな?)もあり、「漢字でもいいのだからアルファベットでもいいはず。だったら一番覚えやすそうなアルファベットにしよう」と決めました。
問題は発音ですが、私は日本人にしてはアルファベットの発音が良いほうですし、もしアメリカ駐在していたら(していませんが)、家庭内で日本人親がアルファベットを教えるのだから構わないと思いました。(その後も特に弊害無しだったので大丈夫です。むしろ天果の英語の発音が悪かったら私の責任だと思って長いことヒヤヒヤしていたことが弊害でした。)
3.アルファベットの教材は適当なものがなかったので手作り
実は・・・
アルファベットに入る前に、ものには名前があると教えたくて、もはや絶版のようですがベビーアインシュタインの「ことば」「どうぶつ」のカードを使いました。おもては写真と名前(日本語・英語)になっていて、それを壁に5枚ずつ、抱っこしたら触れる位の高さに貼りました。
抱っこして「これはカエル」「これは消防車」と教えました。何となく覚えたカードから次のカードに代えていきました。乳児に使うため、分厚くてラミネート加工もしてあるところがポイントでこのカードを選びました。裏に豆知識が書いてあるところも良かったです。
アルファベットの教材はB6サイズくらいの紙(文房具屋さんで厚めの紙を指定し、切ってもらいました)に赤いマジックでアルファベットを書いてカードを自作し、見せながら発音して教えました。
字を教えた結果、天果は1才になる前に大文字は読むことができました。
アルファベットを覚えた天果は身の周りにあるアルファベットを見つけ次第読み、親が「そうね、もう覚えちゃったのね(にっこり)」と応えました。これを天果が何度も繰り返し、いろいろな書体のアルファベットを読めるようになりました。
外出先でも同じで「もう読めるの?」と居合わせた人に驚かれたり褒められたりして、天果の字を読む意欲は爆上がりでした。早いうちに字を教えたことで、天果は学習が自動で進む仕組みに乗りました。天果は楽しそうで、私もその様子を見て楽しみました。子どもは皆勉強が大好きになる素質を持っていて、その子どもの素質を伸ばすのが教えたり褒めたりする環境だと思います。
教え方のコツ
字を教えるにあたって、私が気を付けていたことはただ一つ。
「覚えたかどうかを確認しない」。確認して覚えていなかったら、親はがっかりした顔をします。子どもにとっては、勉強の結果が、親のがっかり顔という残念な体験につながり学習のイメージが悪くなってしまいます。親のがっかり顔を避けるためによりがんばって学習するかもしれませんが、そういう楽しくない学習は長続きしないと思います。
確認しないで結果を知る方法は、観察です。放っておいても自分から読み始めます。私はひらがなもカタカナもアルファベットと同じカードで教えましたが、だいたい覚えているようだ、と思ったら、次に進みました。
ある時点で完璧に読めることよりも、日常の中で思い出したり覚えなおしたりして記憶に定着していくことのほうが大事です。
アルファベットから始めてよかった
些細なことですが、アルファベットから教えて良かったと思ったことが2つありました。一つはアルファベットのAははっきりと「エイ」と発音するのですが、一文字で仮名二文字になります。これを先にやっていたおかげで、表音文字であるひらがなから表意文字である漢字に進んだときの戸惑いが、見られなかったと思います。
もう一つは、天果が5歳のとき、構音を調整したかったので、言語の先生に一通りのチェックをお願いしました。直すべきところが明らかになりましたが、言語療法に連れて行く時間がとれず、私が自力で直すことにしました。その時使ったのがフォニックスなのですが、アルファベットを習得してからずいぶん経っており定着していたので、混乱せずにフォニックスも習得でき、本来の目的であった日本語の構音も良くなりました。(このときもちょっと発音大丈夫か?と不安がよぎりましたが大丈夫でした。)
一番大事なこと
天果に字を教えた体験から、私は子どもの自尊心を守りながら学習を進めることの大切さと大変さを知ったような気がしました。
子どもが自信を持って学習していくと、子どもも楽しいし、効率よく学ぶことができます。叱ったり馬鹿にしたりしないことで、子どもは勝手にぐんぐん伸びていくと思います。これは小学生になっても、中学生になっても、高校生になっても大事なことです。
子どもの勉強嫌いの原因は親の態度かもしれません。
無理なく無駄なくハッピーに子どもの才能を伸ばす「ママの魔法の杖」、どうぞ使ってださいね。