はじめに
子どもの言葉を育むために「読み聞かせは幼児教育の鉄板!」と思っていましたが、実践してみると思った以上のすごい効果がありました。それは「確実に子育てが楽になる」ということです。
前回の読み聞かせ育児(前編:泣きやんでゴキゲンに!)にひき続き、読み聞かせについて書いていきます。
- いつから始めるの?
- 本はどうやって選ぶの?
- 何冊くらい読めばいいの?
2.絵本は親の好みで選んで、家にストックしておくのがいい
天果の本は本屋で買ったり、Amazonで買ったりしましたが、すべて私の好みで選びました。Amazonの購入履歴を見ると、1才で30冊以上、2才で20冊以上、3歳で30冊以上でした。
まとめ買いでお金がかかりましたが、大人の本と違い絵本は何度も読むので、考えようによっては割安ですし、こんなにリターンの多い投資はありません!
まとめ買いして家の書庫に保管しておき、適当なタイミングで新しい本を補充するようにしていました。親もいろいろやることがあり、直前になって「成長過程の旬」「季節の旬」に気づきます。タイミングを逃さず本を与えるためにはストックが有効でした。
たくさん絵本を買ったのは友人の「子どもには子どもに必要な教養がある」という言葉の影響でした。前後の文脈は覚えてないけど、今でも本当にそうだな、と思います。なので定番の「こぐまちゃん」「だるまちゃん」、「ばばばあちゃん」、「ぐりとぐら」、「はらぺこあおむし」などの絵本を買いました。
私自身も、だるまちゃんのお話には思い出があります。自分の保育園時代に、保育園のお楽しみ会で私の知らないバージョンのだるまちゃんのお話が上演されて、「だるまちゃんのお話はひとつじゃ無いの?」と衝撃を受けました。そして保育園の書棚にあったその本を探し出し、「お話はひとつじゃ無い」という現実に直面し、腹落ちしました。ビックリ体験と腹落ち体験の両方を鮮明に覚えています。
イベントや外出先で天果が持っている本を紹介されることが多く、「あ、このお話知ってる」と天果は喜びました。子どもは知らない話だけでなく、おなじみの話を楽しむことができます。なので少し難しいお芝居を観る前には、原作本で予習することもありました。
完全に私の趣味が大爆発したのは安野光雅さんの絵本です。天果はあまり興味を示しませんでしたが、本当に素敵です。天果と趣味が合わなかったのはとても残念でしたが、「やはり別人格だな」と思い、自分の趣味だけでなく、天果の趣向に添うことも大切だと肝に銘じました。そして、天果の可能性を狭めないために多様なお話を取り入れる必要があると思いました。
本の内容が、古いものだと現代の常識に合わなかったり、使われている語彙が日常語ではなかったりしました。新しいものだと、日本語の使い方が間違っているものがありました。それぞれ気になりましたが、読みきかせました。排除するよりもそれも含め教えることを選びました。
購入した絵本の中で2割か3割くらいが翻訳絵本でした。
1割くらいが英語の原書でした。英語の絵本を読むときは、途中の説明や声かけも英語にしましたが、天果は成長とともに嫌がるようになりました。「自然に触れられるといい」と思っていましたが、私が英語で読み聞かせている時点で不自然だったのでしょう。
Amazon以外での購入方法も検討しました。配本サービスを考えましたが、私が絵本好きなので自分で選びたかったのと、タイミング重視だったので自分で購入しました。
配本サービスの良いところは、親の好みに縛られず幅広い絵本に触れられるところです。そしてソフトカバーで省スペース、安くて良質なものがありました。
図書館で借りるのも良いでしょうが、本の大きさはバラバラで、借りに行って選んで、期限までに返して、と結構大変だと思います。あと、お出かけに本を持参していたので、傷つけたり無くしたりが心配で幼児期は図書館は使いませんでした。
3.たくさん読むといいけど、何回も読むことも大事
読み聞かせは、「○○冊読みきかせよう」という目標はありませんでした。たくさん読むのはもちろん良いと思います。でも、何回も読むのもとっても大切だと思います。何度も何度も読むうちに、絵の細かいところに気づいたり、主人公以外の人の気持ちに気づいたりしていきます。絵本を読む中で気づいたり考えたり、絵本の中の出来事を真似したり、絵本を味わい尽くすことが大切だと思います。
また、良いタイミングで適切な絵本を読んであげられると、絵本のパワーを最大限に使うことができます。春にはお花が咲いたり動物が冬眠から覚める本、夏には雷が鳴る本、秋には収穫する本、冬には雪が降る本、と季節の旬を大切にしました。また、夜寝たがらなくなってきた頃に「ねないこだれだ」、パンツを一人ではけそうな頃に「はけたよはけたよ」、そろそろでんぐり返しの練習かな?という頃に「でんぐりでんぐり」を読みました。
私は本を子育てに使うという方法がとても気に入り、その後天果の成長に伴って絵本が書籍や新聞になっても、この方法を使い、十分な効果がありました。中高生になって親の言うことを素直に聞きたくなくなっても、本や新聞の情報はニュートラルに受け入れていたと思います。
読み聞かせの効果
私が読み聞かせの効果だと思うことは、次の通りです。
- 文字に興味をもつようになった
- 話を聞ける子になった
- 正しい日本語の大量インプットになり、正しい日本語が身についた
- 「本は楽しい」と理解して、将来の読書の基礎が固まった
- しつけにも楽しみにもなる読み聞かせで、とにかく子育てが楽になった
- 動画やゲームに触れさせるまでの時間を稼ぐことができた
読み聞かせて良かった
「読み聞かせをしていると、賢い子になる」の「賢い子」は、単に勉強ができるということでは無く、「聞き分けが良い(がまんできる)」「共感性が育つ」「理解力がある」「自分の頭で考えられる」「客観性を持つ」ということだと思います。最初に書いたように私は読み聞かせのおかげで子育てが楽になったと思います。
最後に、困ったこともあったので書いておきます。それは絵本が重いこと。お出かけの暇つぶしに絵本1冊では飽きるので、何冊も持って行ったのですが、2,3,4歳頃は本当に重かったです。ただ、この期間はそれほど長くありません。3年位がまんすれば、本が小さくなり、冊数も1,2冊で良くなります。私は過去のこの数年のがまんを、本当に価値があったと思います。この数年をスマホのゲームや動画で凌いでしまったら、天果の人生は全く違うものになっていたでしょう。
無理なく無駄なくハッピーに子どもの才能を伸ばす「ママの魔法の杖」、どうぞ使ってださいね。